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MADE IN JAPANに思うこと

今年は6月から暑かったので体感が1ヶ月ほどずれていますが、すでに暑さにうんざりしているにもかかわらずまだ7月、夏休みも始まったばかりです。おまけに戦争、コロナ、円安…と明るい話題が全くと言っていいほどなく、ついどんよりしがちですが、幸い新しいアイテムが入荷してきていることもあり、わーいいね!の気持ちを大切にして、何とかバランスを保っている昨今です。

 

さて、前々から『日本製』って何だろう?と悶々と思っていたのですが(日本製、というだけでモノの本質を見ずに美化されている部分がある)作り手から縫製工場の現状を耳にするたびに、ただ日本という場所で作っているという印にしかならないのであれば、もうMADE IN JAPANじゃなくてMADE BY 〇〇(作った人の名前)でいいんじゃないの、と思ったり。円安になったから日本で作ったモノの輸出には好都合なんですよ、と言われても、すっかりモノ作りの拠点を海外に移してしまっているので(安さ追求した結果ですが)、急にさぁ作りましょう、モノ作り再び始めましょう、と言われても設備もない、肝心の作ることをできる人がいないのです。一度、消してしまった火を点すのはそう簡単なことではなく本当に難しい。急な方向転換ができなくとも、今できることはまだ細く残った技術をどうにか残すことではないかと思います。今回、入荷したブローチも、作ることができる熟練の腕を持つ寄せ物職人さんは東京でも数人程度しかいないそうです。どうか、安易に安いモノに走らずに何でこんなに安いんだろうと疑問に思い、高いモノにはどういう理由があるのか、その対価を払うことによってよくも悪くも未来に繋がっているということをよく考えてほしいな、気付いてほしいなと常々思っています。

BLESSの魅力について

お店で扱っているBLESSについて。Liningvestを買ってくださったお客様が「あれ、すごくよかった。買ってよかったです。買う時はこの値段だし、どうなんだろうと思ったけど、着ていたら人から褒められるし、人と被らないし。これは買った人にしか分からないですねー。もし若い人でいいな、欲しいなという人がいるんだったら何かを我慢してお金を貯めてでも買うべき、とおすすめします。」とうれしいお言葉を下さいました。私もBLESS大好き!なのですが、いかんせん値段が高い(言い切ります)のと、強く勧めるのが苦手なこともあり、ま、お客様次第ね、と思っていた節があるのですが、このお客様の言葉を聞いて、もうちょっとちゃんとBLESSの魅力を伝えなきゃな、と思いこれを書いている次第です。

 

アートとファッションとインテリアの曖昧な境界線に佇むブランド、BLESS。正直、縫製は決して良くないし、毎シーズン新しいものがバンバン出るわけでもありません。その代わり、何よりも自由、性別も年齢も流行も超えて、いつでもどこでも好きなようにどうぞ、という空気感。これは日本のこうしなきゃダメ、という良くも悪くもの真面目さの中では決して作れないものです。鼻唄まじりにアトリエでチクチクしているんだろうな、という楽しさは着る側にも伝わってきて、結果BLESSを着ると気持ちが上がる、なんか元気になる、というわけです。

 

それから、ちょっと変なバランスにしたいな、というときにもとても重宝します。完璧なバランスは美しいけれど、個性とは?と考えると何か物足りない。そんな時に1点投入するとコーディネートがいい感じに力の抜けた緩さを伴うようになるのです。このあたりはお客様の言葉通り、買って着てみないとわからないことだと思いますので、声を大きくして断言します。どうぞ思い切って買って体験してみてください。

 

憧れの洋服なんて今の世の中ないわーと言われがちな昨今、BLESSを着たいと思えるあなたはしあわせなのですよ!というわけで、今日も私はBLESSを着ます。

経年変化を楽しむ

今年はいったいいつまで半袖?という気温の高い日が続いていますが、10月半ばを過ぎ、やっと来週からは気温がグッと下がるようですね。

そんな毎日でしたので、お店の中でだけニットを着る日々でしたが、それでも着続けるうちに柔らかくなり肌に馴染む様子を愛で、最初はこの色どうなんだろう?似合ってるのかな?と見慣れなかった目がだんだんと引き寄せられて、ある日、急に「わ、やっぱりこれすごくいい!」と自分のものになる感じが面白かったり、で、新しい発見を楽しんでいます。

もちろん新品のピカピカもいいんだけど、身体に馴染んでできる皺、毛玉、傷、色褪せがその人らしさを表していてやっぱり服も人も輝いて見えるんだよなぁ。最近の古着の人気はこの辺りにも理由があるのかも。それに服に限らず何でも買った時がゴールじゃなくてスタートだな。高かったから普段に着る、使うのはもったいない、と仕舞い込むのが一番もったいないのです。経年変化を楽しめるって、いい買い物の特権じゃない!そんなことを思いながら、今日もなに着よう?とクローゼットを覗き込んでいます。

BUY LESS, CHOOSE WELL, MAKE IT LAST

新しく入荷した雑誌『198201111959_202104』

BLESSのデザイナーのかなり深いインタビュー記事、COSMIC WONDER 前田氏のインタビュー、その他スタイリング写真も攻めた構成になっていて読みものとしても眺めるものとしても楽しめる濃い内容となっておりますので、ご興味ありましたらぜひ手に取ってほしいです。

この本の後書き(かな?)にヴィヴィアン・ウエストウッドの言葉として『BUY  LESS, CHOOSE WELL, MAKE IT LAST』とあって、もうちょっとよく知りたいなと思い、調べてみました。

「Buy less, choose well, make it last.
Quality, not quantity. Everybody’s buying far too many clothes.」

「もっと少なく買いなさい。賢く選びなさい。それを長く使いなさい。
大切なのは質で、量じゃないの。みんな本当に多くの服を買いすぎているわ。」

拝金主義がまかり通るこの世の中、作り手からこの言葉が出たとは、なんて素晴らしいこと!もちろん自分が作っているものに責任と自信がないと、決してこの発言はできないと思います。

『買う人がいなくなれば、作る人も消える。』とも後書きに書いてあって、良い意味でも悪い意味でもいろんなことに当てはまるこの深い言葉がここ数日、心にズシーンと引っかかっています。

MY VINTAGE

例年より随分と早く梅雨入りしたものの、思いの外晴れの日が続いたので、重い腰を上げてエイッとクローゼットの中の見直しをしました。

収納にも限界がある中、仕事柄、どうしても服の増えるペースが早いので、定期的にところてん方式で押し出されるアイテム、というものが出てきます。幸いなことに服に対する執着心(またの名をコレクション癖、といいましょうか)は待ち合わせていないので、自分の中でもう充分堪能した、理解した、もう似合わない、などの理由に納得がいけば、どんなに元値が高くてもあっさりと手放します。というか、手放してアップデートしてクローゼットにも心にも隙間を作らないと次の新しい風が入ってこない、という持論もあり、心を鬼にして、この作業を続けるわけです。

R氏(高1男子)が着れるものは彼に譲りますが、身長が170cmを超えた今、なんでもかんでもOKなわけではなく、特にガーリーなものは当然無理なので、さてどうしたものか、と考えました。

今後、そういうアイテムがMY VINTAGEとして、時々お店にしれっと並んでいたりいなかったりします。ので、タイミングが合えば出合えるかも、とあまり期待せずに(ちょっとだけ期待しつつ)来店時に見ていただければと思います。

できれば、古着屋さんでいいものないかなぁなんて探しながらバイトに励んでいる服好きの大学生とかに着てほしいなぁ、なんて思ったりもしています。

 

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