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オールブラック考

私は黒、ブラックが好きだ。一時はネイビーがベースカラーの時があり、ネイビーさえあれば生きていける、なんて思ったこともあるのですが、人間気まぐれなもので、いつの頃からかベースカラーがブラックに変わり、それが続いている現在です。

 

街を歩くと全身『黒』で装っている人が意外と多いことに気付きます。特に半袖の季節、いつも思うのが重いな、という印象。こうやって客観的に見ると、とても難しい色なんだなと。何でのっぺり重たく感じるのだろうと考えてみると、素材の持つ特徴をダイレクトに伝える色であるが故に、安っぽさや単調さが際立ってしまうのだなぁ。あと、面積が多くなると嫌でも感じてしまう威圧感。つい安心だから、と手に取ってしまう色だけにナルホド、これは注意しなくては、と思うようになりました。

 

結論から言うとオールブラックのコーディネートはハードルが高い(私調べ)。が、素材の特徴を活かして上手く組み合わせれば極上のコーディネートが出来上がるということでもあります。なぜこんなことを思ったかというと、今回入荷したHIROMI TSUYOSHIのジャンプスーツ、ハイゲージのウールVネックカーディガンとちょっと粗く織られた表情のある布帛のパンツがくっ付いたもので、オールブラックなんだけど軽やかさもあって大人っぽくとてもよい雰囲気なので、この違いって何?から始まった考察です。まずはこんな組み合わせを、の参考にこのジャンプスーツ、見てみてください。

スルメみたいなデニムジャケット

うだるような暑さが続いていますね。暑いと言っても涼しくなるわけじゃないとわかっていても暑いね、とつい言ってしまう自分に暑さで頭が働いていないなぁと苦笑いするしかない8月です。

 

NORITAKE/HARADAの第二弾、待望のデニムジャケットが入荷しました。前回のデニムパンツ同様、シンプルを極めた美しい洋服です。糊が効いたバキバキの状態から、水を何度も潜って身体にゆっくり馴染む様子を想像するとニヤけてしまいます。が、当然のことながらすぐにその状態になるわけではなく、数年後に「あれ、やっぱり買ってよかったよね、かっこいいよね。」と答え合わせをするような洋服なので、わかりやすくパッと飛び付くようなものではありません。ラックに掛かっている姿はどちらかと言うと一見、地味にすら見える存在ではあります。でも実は内に秘めた存在感とポテンシャルは半端ない。こう書きながら、私のことを25年くらい前に「みかちゃんはスルメみたいな人(初見、地味だけど噛めば噛むほど味が出る、の意)だね」と言った人のことを思い出して、あ、そっか!このデニムジャケットもスルメ、私と同類なんだ〜と妙に親近感を覚え、一緒に歳を重ねるのが俄然楽しみになった次第です。あなたも一緒にスルメ(みたいな服)を噛み締めてみませんか?

MADE IN JAPANに思うこと

今年は6月から暑かったので体感が1ヶ月ほどずれていますが、すでに暑さにうんざりしているにもかかわらずまだ7月、夏休みも始まったばかりです。おまけに戦争、コロナ、円安…と明るい話題が全くと言っていいほどなく、ついどんよりしがちですが、幸い新しいアイテムが入荷してきていることもあり、わーいいね!の気持ちを大切にして、何とかバランスを保っている昨今です。

 

さて、前々から『日本製』って何だろう?と悶々と思っていたのですが(日本製、というだけでモノの本質を見ずに美化されている部分がある)作り手から縫製工場の現状を耳にするたびに、ただ日本という場所で作っているという印にしかならないのであれば、もうMADE IN JAPANじゃなくてMADE BY 〇〇(作った人の名前)でいいんじゃないの、と思ったり。円安になったから日本で作ったモノの輸出には好都合なんですよ、と言われても、すっかりモノ作りの拠点を海外に移してしまっているので(安さ追求した結果ですが)、急にさぁ作りましょう、モノ作り再び始めましょう、と言われても設備もない、肝心の作ることをできる人がいないのです。一度、消してしまった火を点すのはそう簡単なことではなく本当に難しい。急な方向転換ができなくとも、今できることはまだ細く残った技術をどうにか残すことではないかと思います。今回、入荷したブローチも、作ることができる熟練の腕を持つ寄せ物職人さんは東京でも数人程度しかいないそうです。どうか、安易に安いモノに走らずに何でこんなに安いんだろうと疑問に思い、高いモノにはどういう理由があるのか、その対価を払うことによってよくも悪くも未来に繋がっているということをよく考えてほしいな、気付いてほしいなと常々思っています。

BLESSの魅力について

お店で扱っているBLESSについて。Liningvestを買ってくださったお客様が「あれ、すごくよかった。買ってよかったです。買う時はこの値段だし、どうなんだろうと思ったけど、着ていたら人から褒められるし、人と被らないし。これは買った人にしか分からないですねー。もし若い人でいいな、欲しいなという人がいるんだったら何かを我慢してお金を貯めてでも買うべき、とおすすめします。」とうれしいお言葉を下さいました。私もBLESS大好き!なのですが、いかんせん値段が高い(言い切ります)のと、強く勧めるのが苦手なこともあり、ま、お客様次第ね、と思っていた節があるのですが、このお客様の言葉を聞いて、もうちょっとちゃんとBLESSの魅力を伝えなきゃな、と思いこれを書いている次第です。

 

アートとファッションとインテリアの曖昧な境界線に佇むブランド、BLESS。正直、縫製は決して良くないし、毎シーズン新しいものがバンバン出るわけでもありません。その代わり、何よりも自由、性別も年齢も流行も超えて、いつでもどこでも好きなようにどうぞ、という空気感。これは日本のこうしなきゃダメ、という良くも悪くもの真面目さの中では決して作れないものです。鼻唄まじりにアトリエでチクチクしているんだろうな、という楽しさは着る側にも伝わってきて、結果BLESSを着ると気持ちが上がる、なんか元気になる、というわけです。

 

それから、ちょっと変なバランスにしたいな、というときにもとても重宝します。完璧なバランスは美しいけれど、個性とは?と考えると何か物足りない。そんな時に1点投入するとコーディネートがいい感じに力の抜けた緩さを伴うようになるのです。このあたりはお客様の言葉通り、買って着てみないとわからないことだと思いますので、声を大きくして断言します。どうぞ思い切って買って体験してみてください。

 

憧れの洋服なんて今の世の中ないわーと言われがちな昨今、BLESSを着たいと思えるあなたはしあわせなのですよ!というわけで、今日も私はBLESSを着ます。

経年変化を楽しむ

今年はいったいいつまで半袖?という気温の高い日が続いていますが、10月半ばを過ぎ、やっと来週からは気温がグッと下がるようですね。

そんな毎日でしたので、お店の中でだけニットを着る日々でしたが、それでも着続けるうちに柔らかくなり肌に馴染む様子を愛で、最初はこの色どうなんだろう?似合ってるのかな?と見慣れなかった目がだんだんと引き寄せられて、ある日、急に「わ、やっぱりこれすごくいい!」と自分のものになる感じが面白かったり、で、新しい発見を楽しんでいます。

もちろん新品のピカピカもいいんだけど、身体に馴染んでできる皺、毛玉、傷、色褪せがその人らしさを表していてやっぱり服も人も輝いて見えるんだよなぁ。最近の古着の人気はこの辺りにも理由があるのかも。それに服に限らず何でも買った時がゴールじゃなくてスタートだな。高かったから普段に着る、使うのはもったいない、と仕舞い込むのが一番もったいないのです。経年変化を楽しめるって、いい買い物の特権じゃない!そんなことを思いながら、今日もなに着よう?とクローゼットを覗き込んでいます。

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