Cart 0

忘却も悪くない

あんなに暑くて何もする気が起きなかったのに、突然気温が下がって読書欲が戻り、今はとにかく活字を追いたくて仕方がない毎日です。

 

読みたい本を探すのもその1つなのですが、とにかく新しいものを探さないといけないという脅迫観念みたいなものにとらわれている自分がいることに気付きました。お店に並べるものを探すときも同じことが言えて、経験値が上がれば上がるほど、わー!(感動)となる確率は下がるわけです。これを一生続けていかないといけないのかと思うと、時々ぞっとしたりするのです。

 

先日、本棚からかつて読んだことのあるはずの本を何気なく取り出して読み返してみました。律儀にもレシートが挟んであって1年4月18日(水)とあります。するとまるで初見であるかのように内容を全く覚えていなくて愕然としました。やだ、何これ?しかもその内容が面白くて、するする読み進めるんです。ある意味、発見だなと思いました。新しく探さなくとも私の本棚には読んだことを忘れている本、心満たしてくれる本がたくさんあるのです。ただ私の性格上、新しく何かを探すという行動、探究心、好奇心は生きる衝動なので止められません。なのでその時々の興味のあるものにプラスして手持ちの本を読み返す、、、これはなかなか忙しくなるぞ、そう思うと忘却も悪くないな。手に入れて一通りサラッと通過して満足する、から一歩踏み込んで、本にしろ洋服、CD、DVD、器、作品、、、深く理解するにはうんと時間がかかりそうです。その年齢年齢で感じ方も変わりますしね。うかうかiPhone iPadばっかり見て無駄な時間を消費してる場合じゃない。です。

その時その時の気付き

子供のときにはさっぱり理解できなかったことが、ある時急にぴんとくる。みたいなことはいっぱいあって、その延長みたいに20代の頃には分からなかったことが今、あーそういうことか。と思うこともたくさんある。逆に今の若い子たちの流行りを受け入れられない(良さが分からない)ということは、私の脳みそが凝り固まって退化しているということだと危機感を覚えることもある。毎日、そんな思考を繰り返していますが、ぶれずに自分の好きを貫くことは年齢に関係なく大事にしなくちゃね、という着地点は変わってなくてこれからもそこは死守したい。と思っています。

 

手仕事の継承、今がほんとのラストチャンスなんだと思います。10年先にはこんなニット、お金を出して買えること自体が嘘みたいだったね、夢みたいだったね、ともしかしたら言ってるかもしれなくて。ヒロミツヨシのニットを眺めながらそんなことをぼんやり考えました。

ポケット代わり

ポケット考察。あると手を突っ込みたくなるし、ハンカチや鍵を入れたりと便利と言えば便利なんだけど、先日、R氏がポケットに入れていたイヤホンを教習車の中で落とすというアクシデント(見つかりました)、そしてトドメは私がバッグの中のポケットに入れていたお店の鍵を落とすという(幸いなことに出先を辿っていくと郵便局で保管されておりました、ありがたやー)ことがあり、あぁこれはポケットを過信してはいけないということだな、と痛感。図らずもここ最近、必要最小限のものが入りアクセサリーも兼ねてくれるような小さなバッグ・ポシェットのようなものが私の手元に集まってきていることもあり、こちらにシフトしていくのがきっとストレス軽減かつ正解なんだろうと思っています。そう言えば私の選ぶ服にはポケットがないことも多いし、ポケットの中でカピカピになったハンカチを発見することもなくなるんじゃないのか?といいことずくめな気がしてきました。

そこに愛はあるんか

先日の東京出張中に心に残った言葉は 「そこに愛はあるんか」 売り手として扱うものに愛がないとね。という話です。ふらりと立ち寄ったギャラリーのオーナーの方は作品愛に溢れていて、やっぱりその辺りは伝わるんだなとじんわりしたものを抱えて帰りました。LUCAに来てくださる方にもまっすぐ伝わるよう私も厳しくも正直でありたい。やっと涼しくなってきた朝晩、クリアになりつつある頭の中でぐるぐる考えています。

1.4%

1.4%…何の数字だと思いますか?2024年に日本で供給された衣料品のうちの国内生産品の割合です。えー少ない!と単純に思ってしまいますが、数字で見ると6001万点。日本人の2人に1人が日本製の衣類を1点買っていると思えば悪い数字ではない(そんな単純な話ではない、というのは重々分かってはいますが)。一方衣料品の国内総供給量は35億1204万点、いや多過ぎやしませんか?どちらかと言うと分母の数がおかしい。価格を下げるための大量生産の闇ですね。

 

最近、需要と供給のバランスについてよく考えます。価格についても。人の手は尊く、その手から生み出された美しいものが(作り手に真っ当な対価が支払われているならば)ある程度の値段になってしまうのは当然のこと。基本的にLUCAで並んでいるものは私の思うこれならば、という基準をクリアしたものです。ただ、世の中にはその理解の範疇を超えているものも存在するわけで(その値付けに何だか人間の欲望のカケラみたいなものを感じてしまうんだな)もう、これはアートですか?と思うしか落としどころがない。そこの部分にモヤモヤを拭いきれない私がいます。なんだろう、これ?きっと私は価格も含めてちゃんと納得していいなと思うもの、好きなものを選んで並べて、どうです?素晴らしいでしょう!と気持ちよくお客様に送り出したいんだな。LUCAはそうありたいんだなぁ。うーむ、いろんな葛藤は続きます、、、

1 2 3 13 Next »