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経年変化を楽しむ

今年はいったいいつまで半袖?という気温の高い日が続いていますが、10月半ばを過ぎ、やっと来週からは気温がグッと下がるようですね。

そんな毎日でしたので、お店の中でだけニットを着る日々でしたが、それでも着続けるうちに柔らかくなり肌に馴染む様子を愛で、最初はこの色どうなんだろう?似合ってるのかな?と見慣れなかった目がだんだんと引き寄せられて、ある日、急に「わ、やっぱりこれすごくいい!」と自分のものになる感じが面白かったり、で、新しい発見を楽しんでいます。

もちろん新品のピカピカもいいんだけど、身体に馴染んでできる皺、毛玉、傷、色褪せがその人らしさを表していてやっぱり服も人も輝いて見えるんだよなぁ。最近の古着の人気はこの辺りにも理由があるのかも。それに服に限らず何でも買った時がゴールじゃなくてスタートだな。高かったから普段に着る、使うのはもったいない、と仕舞い込むのが一番もったいないのです。経年変化を楽しめるって、いい買い物の特権じゃない!そんなことを思いながら、今日もなに着よう?とクローゼットを覗き込んでいます。

BUY LESS, CHOOSE WELL, MAKE IT LAST

新しく入荷した雑誌『198201111959_202104』

BLESSのデザイナーのかなり深いインタビュー記事、COSMIC WONDER 前田氏のインタビュー、その他スタイリング写真も攻めた構成になっていて読みものとしても眺めるものとしても楽しめる濃い内容となっておりますので、ご興味ありましたらぜひ手に取ってほしいです。

この本の後書き(かな?)にヴィヴィアン・ウエストウッドの言葉として『BUY  LESS, CHOOSE WELL, MAKE IT LAST』とあって、もうちょっとよく知りたいなと思い、調べてみました。

「Buy less, choose well, make it last.
Quality, not quantity. Everybody’s buying far too many clothes.」

「もっと少なく買いなさい。賢く選びなさい。それを長く使いなさい。
大切なのは質で、量じゃないの。みんな本当に多くの服を買いすぎているわ。」

拝金主義がまかり通るこの世の中、作り手からこの言葉が出たとは、なんて素晴らしいこと!もちろん自分が作っているものに責任と自信がないと、決してこの発言はできないと思います。

『買う人がいなくなれば、作る人も消える。』とも後書きに書いてあって、良い意味でも悪い意味でもいろんなことに当てはまるこの深い言葉がここ数日、心にズシーンと引っかかっています。

MY VINTAGE

例年より随分と早く梅雨入りしたものの、思いの外晴れの日が続いたので、重い腰を上げてエイッとクローゼットの中の見直しをしました。

収納にも限界がある中、仕事柄、どうしても服の増えるペースが早いので、定期的にところてん方式で押し出されるアイテム、というものが出てきます。幸いなことに服に対する執着心(またの名をコレクション癖、といいましょうか)は待ち合わせていないので、自分の中でもう充分堪能した、理解した、もう似合わない、などの理由に納得がいけば、どんなに元値が高くてもあっさりと手放します。というか、手放してアップデートしてクローゼットにも心にも隙間を作らないと次の新しい風が入ってこない、という持論もあり、心を鬼にして、この作業を続けるわけです。

R氏(高1男子)が着れるものは彼に譲りますが、身長が170cmを超えた今、なんでもかんでもOKなわけではなく、特にガーリーなものは当然無理なので、さてどうしたものか、と考えました。

今後、そういうアイテムがMY VINTAGEとして、時々お店にしれっと並んでいたりいなかったりします。ので、タイミングが合えば出合えるかも、とあまり期待せずに(ちょっとだけ期待しつつ)来店時に見ていただければと思います。

できれば、古着屋さんでいいものないかなぁなんて探しながらバイトに励んでいる服好きの大学生とかに着てほしいなぁ、なんて思ったりもしています。

 

直感を信じる

お客様にも時々お伝えしているのですが、商品を見てパッといいな、と思う部分があるのであれば、私が違うものを勧めても、自分の気持ちに正直に従った方がいいですよ、と。たとえそれが失敗だったとしても、次に進める経験というものをちゃんと手に入れているから無駄ではないのです。選択の軸が自分の中にないと、いつまで経ってもスタイルが確立しないと思っています。

逆に何か小さな違和感を少しでも感じるのであれば、それは買わない方がいいです。やっぱりその違和感は正しいことが多い。というわけで、自分の直感というものを買い物だけでなく、人付き合いやいろんな人生の選択肢で大事にしたいと思う今日このごろです。

着るということ

昨年の今頃は、緊急事態宣言が出て日本中がどんよりとした空気に覆われていました…そして1年経った今、状況は変わらず、というか、正直もうどうしていいのか誰もわからないまま、進んでいくしかないのだな。と。

アパレル業界はコロナ禍前から決して良い状況ではなく、騙し騙しやってきたところへ、今回の出来事で身ぐるみ剥がれました、みたいな状態になって、世の人たちの服に対する姿勢もずいぶんと変わったのではないか、と思います。

とはいえ、私は今、服を扱う仕事をしていて、こんな状況になってもやっぱり服が好きなままだし、展示会へ行けばデザイナーの話を聞きながら真剣に服を選んでおります。魅力的な洋服(ここ、重要。ただ何でも売れればいい、とは思っていなくて、やはり魅力的なものでなければならない)を必要としている人のところへご縁を繋げることが私の仕事だと思っているので、私がそう思うものが世の中に存在する限り、細くてもいいから続けていきたいです。

先日、¥390に値下げされた桜色のパンツが結構な量、積まれて売られているのを目にしました。下手したら、LUCAで売られているパンツの値段を出せば100本買えてしまう、という事実に驚愕しつつ、これってどういうこと?おかしくない?と悶々とした気持ちを抱えたまま帰ってきました。自分の時給が¥1000として、そのパンツを材料から揃えて1時間で作れますか?と考えると、どう考えても無理なわけです。どこかで誰かが泣くことによって成り立っていて、それは結局自分の首を絞めている、ということに気付いている人が少ないことが悲しい。

ネガティブな話題になってしまいましたが、服が好き、という純粋な気持ちを忘れがちな方も多いと思うので、そんな今、おすすめする本が「着るということ」水野正夫著 です。ブレを正してくれる私にとっても大事な1冊です。機会ありましたらぜひ。

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