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2023もお洒落いたしましょう

2023年が始まりました。本年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ。

 

年明け早々に『李禹煥』展を観に行きました。あまり情報を持たずして出掛けたので、作品を拝見してすごくセンスのいい方なんだという漠然とした印象を持ち帰りました。今回は、観覧中に自分のiPhoneで中谷美紀さんによる解説を聞ける(なんと無料ですよ!)という画期的で素晴らしい提案付きで、もちろん聞きますとも!とiPhone片手にいそいそと会場へ。が、自宅から運動を兼ねて30分ほど歩いて美術館へ向かったため、いかんせん暑い。マスク越しの眼鏡がくもるし、はいハンカチ、はいiPhoneとなかなかの忙しさで、途中とうとう着ていたBLESSのベストを脱いでバッグに押し込み、やっと落ち着きを取り戻してフムフムと鑑賞しました。

 

帰り道、偶然通りがかった古本屋さんでJosef Albersの古いポストカードを見つけたり、素敵なタイル張りの高架下を見つけて気を良くした私は、インスタに今日の感想をちらりとアップ。するとしばらくして存じ上げない方から「美術館でお見かけしました!BLESS素敵」というコメントが来て、超びっくり!展示会場では先に書いたように結構なグダグダぶりだったので、何か粗相していなかっただろうか、と変な汗が出そうになりました(苦笑)。『人の格好なんて誰も見てないから頑張らなくていいんだ、適当でいいんだ』みたいな記事を時々見かけますが、あれは嘘です(笑)。BLESSの洋服がそれだけ目を惹く力を持っていることは確かです。でも、纏うことによって新しい出会いや仕事に繋がる可能性も大いに秘めているわけです。私はこれが好きなんだ、と知ってもらう方法のひとつとして、クローゼットの中の一軍を纏って出掛けることって有効な手段なんだなぁと新年早々実感した出来事でした。というわけで、2023年も皆さま頑張ってお洒落いたしましょう。きっといいことありますよ。私も気を抜かずに(何処で誰に出会っても大丈夫なように笑)お洒落に励むぞー!李禹煥展、もう一度行こうかと思っています。

建築的に着る

TUKIのコーデュロイパンツ、今期はイエローをセレクトしました。元々、黄色は好きな色のひとつで展示会で見た時から「これだ!」と他の色は目に留まらず、潔くイエロー一択。入荷してから早速どうやって着よう?とあれこれ鏡の前で1人ファッションショーを開催しました。ネイビーとは想像通り🆗、意外だったのは茶系との相性がとてもよいということ。今まで着こなし切れていなかった茶色が俄然輝いて見えて、グッとコーディネートの幅が広がりました。そして、最後にブラック。強い色同士なのでどうかな、と思いましたが、これがやっぱりとてもいい。建築的な、インテリア的なカラーリングと言うのでしょうか、バウハウスを彷彿とさせるパキッとした雰囲気が何とも好きな感じ。グレーを少し足してみるとよりバウハウス(笑)。インテリアのカラーリングは身に着けるものでも応用できるんだ、ということを気付かせてくれたイエローパンツでした。

 

ちなみに、今期のコーデュロイパンツ、2種あります。どちらもよかったので両方取りました。高身長の方にはボリュームがあり、丈が長めのベイカーパンツを、低身長の方には比較的スッキリしたシルエットで丈が短めのショートトラウザーズがおすすめです。

オールブラック考

私は黒、ブラックが好きだ。一時はネイビーがベースカラーの時があり、ネイビーさえあれば生きていける、なんて思ったこともあるのですが、人間気まぐれなもので、いつの頃からかベースカラーがブラックに変わり、それが続いている現在です。

 

街を歩くと全身『黒』で装っている人が意外と多いことに気付きます。特に半袖の季節、いつも思うのが重いな、という印象。こうやって客観的に見ると、とても難しい色なんだなと。何でのっぺり重たく感じるのだろうと考えてみると、素材の持つ特徴をダイレクトに伝える色であるが故に、安っぽさや単調さが際立ってしまうのだなぁ。あと、面積が多くなると嫌でも感じてしまう威圧感。つい安心だから、と手に取ってしまう色だけにナルホド、これは注意しなくては、と思うようになりました。

 

結論から言うとオールブラックのコーディネートはハードルが高い(私調べ)。が、素材の特徴を活かして上手く組み合わせれば極上のコーディネートが出来上がるということでもあります。なぜこんなことを思ったかというと、今回入荷したHIROMI TSUYOSHIのジャンプスーツ、ハイゲージのウールVネックカーディガンとちょっと粗く織られた表情のある布帛のパンツがくっ付いたもので、オールブラックなんだけど軽やかさもあって大人っぽくとてもよい雰囲気なので、この違いって何?から始まった考察です。まずはこんな組み合わせを、の参考にこのジャンプスーツ、見てみてください。

スルメみたいなデニムジャケット

うだるような暑さが続いていますね。暑いと言っても涼しくなるわけじゃないとわかっていても暑いね、とつい言ってしまう自分に暑さで頭が働いていないなぁと苦笑いするしかない8月です。

 

NORITAKE/HARADAの第二弾、待望のデニムジャケットが入荷しました。前回のデニムパンツ同様、シンプルを極めた美しい洋服です。糊が効いたバキバキの状態から、水を何度も潜って身体にゆっくり馴染む様子を想像するとニヤけてしまいます。が、当然のことながらすぐにその状態になるわけではなく、数年後に「あれ、やっぱり買ってよかったよね、かっこいいよね。」と答え合わせをするような洋服なので、わかりやすくパッと飛び付くようなものではありません。ラックに掛かっている姿はどちらかと言うと一見、地味にすら見える存在ではあります。でも実は内に秘めた存在感とポテンシャルは半端ない。こう書きながら、私のことを25年くらい前に「みかちゃんはスルメみたいな人(初見、地味だけど噛めば噛むほど味が出る、の意)だね」と言った人のことを思い出して、あ、そっか!このデニムジャケットもスルメ、私と同類なんだ〜と妙に親近感を覚え、一緒に歳を重ねるのが俄然楽しみになった次第です。あなたも一緒にスルメ(みたいな服)を噛み締めてみませんか?

MADE IN JAPANに思うこと

今年は6月から暑かったので体感が1ヶ月ほどずれていますが、すでに暑さにうんざりしているにもかかわらずまだ7月、夏休みも始まったばかりです。おまけに戦争、コロナ、円安…と明るい話題が全くと言っていいほどなく、ついどんよりしがちですが、幸い新しいアイテムが入荷してきていることもあり、わーいいね!の気持ちを大切にして、何とかバランスを保っている昨今です。

 

さて、前々から『日本製』って何だろう?と悶々と思っていたのですが(日本製、というだけでモノの本質を見ずに美化されている部分がある)作り手から縫製工場の現状を耳にするたびに、ただ日本という場所で作っているという印にしかならないのであれば、もうMADE IN JAPANじゃなくてMADE BY 〇〇(作った人の名前)でいいんじゃないの、と思ったり。円安になったから日本で作ったモノの輸出には好都合なんですよ、と言われても、すっかりモノ作りの拠点を海外に移してしまっているので(安さ追求した結果ですが)、急にさぁ作りましょう、モノ作り再び始めましょう、と言われても設備もない、肝心の作ることをできる人がいないのです。一度、消してしまった火を点すのはそう簡単なことではなく本当に難しい。急な方向転換ができなくとも、今できることはまだ細く残った技術をどうにか残すことではないかと思います。今回、入荷したブローチも、作ることができる熟練の腕を持つ寄せ物職人さんは東京でも数人程度しかいないそうです。どうか、安易に安いモノに走らずに何でこんなに安いんだろうと疑問に思い、高いモノにはどういう理由があるのか、その対価を払うことによってよくも悪くも未来に繋がっているということをよく考えてほしいな、気付いてほしいなと常々思っています。

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